国際問題/トリチウム水の再検討分 の変更点

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結論から書くとたぶん危ない、しかし生体濃縮によって影響が出る予測なので数年後に結果が出始める。
また東電は初年度は半分の11兆ベクレルにして
影響を注視している状態が薄れたところで22兆ベクレルに変更する予定なので報道や一般の興味が薄れるころから注目すべきであるとも言えます。
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実はこの記事は何度か書いているのですが、
日をまたぐときにうっかり消してしまったりして
検討は何重にもした状態になっています。
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***再検討の根拠 [#c2c58d07]
再検討をしたほうがいいと考えたのは
その核崩壊エネルギーの出力を調べた後に
そのエネルギーが平均でウランの核分裂エネルギーの
4万分の1程度あるというのを推測できたためです。
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トリチウムの崩壊はベータ線と
反電子ニュートリノを発射しヘリウム3
(ふつうのヘリウムよりも中性子が一個少ない)
に変化します。
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ベータ線は電子であり、この崩壊の電子のエネルギーは
平均5700eV(電子ボルト)と言われています。
反電子ニュートリノは1eV付近らしいので
ほとんどベータ線によります。
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電子ボルトは電子を何ボルトで加速させた時のエネルギー
ということで5700Vで加速させた電子に相当するという
ことです。
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ウランではどうかというと200MeVと言われています。
200,000,000eV(2億電子ボルト)ということに
なります。
約35,087倍になります。
つまり1ベクレル当たりのエネルギーがこのぐらい差が
あります。
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これをもとによく見るシーベルトに換算して計算してみようと
思ったのですがこれは断念しました。
シーベルトなら致死量が知られています。
しかしシーベルトは人体1kgあたりに受ける放射線数で
計算する指標であり、発射される放射性物質からの距離で
変動します。
つまり、トリチウムのエネルギーがわかってもチャポンと
トリチウム水に浸かったときと、近くに近づいたときでは
シーベルトの値は変わるということです。
また1kgをどう考えるのかも問題で体積をどのように
すべきなのかも問題でした。わかる方はよろしく
お願いいたします。
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***ベータ線は飛ばないから安全なのか [#l608bbed]
次によく見る情報の検討です。
よく、ベータ線はあまり飛ばず空気中では5mmで停止し、
水中では数μm(マイクロメートル)で停止するため安全という
情報をよく見かけます。これが事実なら別に危なくないだろう
と思うでしょう。
しかし、この情報には普通の人なら懐疑的になるでしょう。
核分裂や崩壊は質量が消える代わりにエネルギーが出ます。
エネルギーが簡単に消えるでしょうか。
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例えば、ガードレールがあるから歩道の人は安全。
まあ、わかります。
しかし、車がぶつかればガードレールはへしゃげて、
中の人は無事でも、車はぐしゃぐしゃになるでしょう。
これはガードレールに当たって急に止まったために
起きたことです。
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高いエネルギーを持った電子である場合はどうでしょうか。
電子同士は反発しあい原子の中の陽子とは引き合います。
崩壊で発生した電子は別な原子に近づいて、その原子の電子を
はじき飛ばしその電子にエネルギーを少し与えます。
原子の中の陽子に近づいたとき、引き合って向きが変わります。この時X線(制動X線)を出します。エネルギーが高い場合は別な原子のほうに飛んでいきます。そして同じようなことを繰り返して電子は止まるのです。
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X線はどうでしょう。X線は光と同じ分類になりますが一般的に見える光の数千倍のエネルギーを持っていてぶつかれば電子を吹き飛ばし、原子を揺らします。そして光と同じようにいろいろなものを貫通して遠くまで飛ぶようになります。
医療用のレントゲンがありますが、この電子が向きを変える
仕組みでX線を生み出しています。そしてレントゲンの画像はX線がどれだけ通りぬけたかで画像を作っているのです。
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レントゲン撮影をするときは医師が隠れ、撮られる側も鉛のシートで
大事なところを隠します。これはX線で遺伝子などが破壊されるのを防ぐためです。
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同じように電子を使ったものとしてブラウン管テレビがあります。ブラウン管テレビは熱と電圧をかけて真空中に電子を飛び出させ、2や3万ボルトかけ加速させ、画面にあてたときに蛍光で光るようにし、光る強さはその数で強くなるようにして、電子の軌道を電気や磁力で曲げ、画面の全体に電子で絵をかきます。
それを30画像ぐらいを1秒間で書き換えて動画にするのが、
ブラウン管テレビです。
ブラウン管テレビを手で持ってみた人はわかると思いますが、
電子を撃ち出す装置(電子銃)よりも画面のほうが
すごく重いです。
なぜかというと鉛を多く混ぜたガラスを使っているからです。
画面から出るX線を鉛で吸収しています。
鉛がなぜX線を多く吸収するのかは鉛原子同士の距離が近いから
と言われています。なので小さくても重いのです。
より、小さくて重いものは金があります。
//金は宇宙の環境の地球上よりも強い放射エネルギーを受ける場所で人工衛星を守ったりするために使われているようです。_サーマルブランケットは金ではないようなのでいったん保留にします。
そしてエネルギーはその原子を揺らすに至ります。
原子が揺れるは熱になるということで昔のブラウン管テレビの
画面は熱くなるでしょう。
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話が脱線しましたが、これもシーベルト換算が難しいので
電子が止まるから、安全。は疑問視したほうがいい。という理解でいいと思います。
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また、書きかけバージョンから再度検討してわかったことですが
放射線機器の時点でX線発生は全量ではなく100分の1程度の頻度だというのがわかりました。水は放射線機器のX線発生のターゲット原子より軽いので念のため200分の1程度と予想します。
***トリチウムを扱う科学者の見解は [#r5bc257c]
さて、トリチウムの研究は昔からよくされているようです。
なぜならば核融合反応の材料になると考えられているからです。
そしてノーベル賞をもらった小柴昌俊という研究者の
カミオカンデという施設はニュートリノを観測し、
反電子ニュートリノを出すトリチウムを扱います。
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トリチウムを実際に扱う科学者の意見はどうなのかというのを
垣間見ることができます。
小柴昌俊さんは核融合の国際実験施設を日本に作るのを反対する
提言を過去に行っています。内容は次のものと言われています。
#region(嘆願書)
 内閣総理大臣
   小泉純一郎殿
                                       
              嘆 願 書
 
 「国際核融合実験装置(ITER)の誘致を見直して下さい。」
 
 
 理由:核融合は遠い将来のエネルギー源としては
 重要な候補の一つではあります。しかし、ITE
 Rで行われるトリチウムを燃料とする核融合炉は
 安全性と環境汚染性から見て極めて危険なもので
 あります。この結果、たとえ実験が成功しても多
 量の放射性廃棄物を生み、却ってその公共受容性
 を否定する結果となる恐れが大きいからです。
 ・燃料として装置の中に貯えられる約2キログラ
 ムのトリチウムはわずか1ミリグラムで致死量と
 される猛毒で200万人の殺傷能力があります。
 これが酸素と結合して重水となって流れ出すと、
 周囲に極めて危険な状態を生み出します。ちなみ
 にこのトリチウムのもつ放射線量はチェルノブイ
 リ原子炉の事故の時のそれに匹敵するものです。
 ・反応で発生する中性子は核融合炉の10倍以上
 のエネルギーをもち、炉壁や建造物を大きく放射
 化し、4万トンあまりの放射性廃棄物を生み出し
 ます。実験終了後は、放射化された装置と建物は
 すぐ廃棄することができないため、数百年に亘り
 雨ざらしのまま放置されます。この結果、周囲に
 放射化された地下水が浸透しその面積は放置され
 た年限に比例して大きくなり、極めて大きな環境
 汚染を引き起こします。
 以上の理由から我々は良識ある専門知識を持つ物
 理学者としてITERの誘致には絶対に反対します。
 
 
 平成15年3月10日 
 小柴昌俊(ノーベル物理学者)
 長谷川晃(マックスウエル賞受賞者元米国物理学会 プラズマ部会長) 
 引用:ttps://www.gasho.net/stop-iter/boad/ezjoho.cgi
#endregion
つまり1mgで人が死に、2kgで200万人が死ぬという
内容です。
では、今回流そうとしているトリチウム水はどのぐらいの量なのでしょう。これは計算できます。
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&attachref(./スクリーンショット (142)2.png,50%);
引用:FNの高校物理(((ttp://fnorio.com/0108radioactivity_measurement_unit1/radioactivity_measurement_unit1.htm))
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m(t)が答えなのでそれが出るように変数と定数を代入します。原子はいろいろな重さですがトリチウム原子の重さと半減期は分かっているので答えが出せます。

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上の表から
m(t)=n × T × M ÷ ㏒e2 ÷ NA
変数は原子の重さと半減期で、これはトリチウムの原子の重さと半減期を代入します。㏒e2とNAは定数で決まっています。
㏒e2は0.693だそうなのでこれを、NAは6.02214076×10^23を代入します。
次に変数Mはトリチウムの原子量で陽子1個と中性子2個
で3を代入します。電子は1個ですが電子は軽すぎるので
計算に入れないのが通例です。
ちなみにNAは原子量3のトリチウムにNAをかけると
3グラムになるという数で、原子が6.02214076×10の23乗個
集まったときの重さということになります。
変数T(秒)はトリチウムの半減期12.32年なのでこれを
秒に置き換えます。
12.32年 × 365日 = 4496.8日
4496.8日 × 24時間 = 107923.2時間
107923.2時間 × 60分 = 6475392分
6475392分 × 60秒 = 388523520秒
なので388523520を代入します。
nは放射線量(ベクレル)なのでいろいろ変えてみます。
nはそのままで計算します。
m(t)=n × 388523520 × 3 ÷ 0.693 ÷ 6.02214076×10^23
 = n × 0.00000000000000279289グラム
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おお、結構小さい値になりそうですね。
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まず、放流すると言われる1リッター1500ベクレル
として計算してみます。
1500 × 0.00000000000000279289グラム = 0.00000000000418934080グラム
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ALPS処理水の平均1リッター60万ベクレル
として計算してみます。
600000 × 0.00000000000000279289 = 0.00000000167573632071グラム
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ALPS処理水の重いほうの1リッター200万ベクレル
として計算してみます。まあちょっとしか変わらないでしょうけど
2000000 × 0.00000000000000279289 = 0.00000000558578773572グラム
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一日の放流数753億ベクレル
として計算してみます。
75300000000 × 0.00000000000000279289 = 0.00021030490824993602グラム
おお、増えてきました。これは0.2ミリグラムということになります。
5日間で1人の致死量1ミリグラムを超えそうです。
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1年目の放流数11兆ベクレル
として計算してみます。
11000000000000 × 0.00000000000000279289 = 0.03072183254647139798グラム
致死量1ミリグラムを超えて30.7ミリグラムになりました。
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2年目以降の放流数22兆ベクレルはその倍の
61.4ミリグラムとなりますね。
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処理水は日々増えていると言われますが、
今ある全量は1343227立方メートルと書かれています。
これは1,343,227,000リットルという意味です。
また平均は62万ベクレルとされているので今ある全量を合計すると
1,343,227,000 × 620000 = 832800740000000ベクレル
1,343,227,000 × 620000 × 0.00000000000000279289
 = 2.32592407989613314850グラム
つまり今ある全部で2325.9ミリグラムということになります。
多いような少ないようなという感じですが、
そもそも今回のトリチウムはウランなどの燃料の近くにある水が
放射性を持つようになって増えたもので原子炉の通常運転で
増えたものとメルトダウン後に増えているものがあると思います。
メルトダウン後のものは今後も増え続けると予測できます。
これを見ると核融合実験用の2kg(2000000ミリグラム)の
トリチウムというのがかなりのものだということがわかりますね。
#br
***さて本題です。安全性について [#m118f69c]
ケース1_飲んじゃった
まずトリチウムでの死者がどのように発生しているかですが、
旧ソ連で手順を守らなかったため350Gベクレルの
トリチウム水を摂取してしまった作業員が生還しています。
350Gベクレルは350,000,000,000ベクレル
3500億ベクレルです。これはおおよそ致死量の1ミリグラム
に相当すると思います。
要約すれば25日後からトリチウムの尿中トリチウムの
計測が始まり、尿中トリチウムが7日で半減し、
2か月後に造血が回復し始め、
3か月後に白血球の数がおおむね回復し、
半年後に復帰が開始された。とあります。
これは急性放射線症の強いやつだと考えられます。
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ケース2_トリチウム蛍光物質(死亡)
ヨーロッパの2施設で数名の作業員が
年間4から10テラベクレルという大量の
蛍光物質を扱っていた。とされます。
4兆から10兆ベクレル。つまり年間で流すトリチウム量
5分の1から半分ぐらいを扱う作業です。
トリチウム蛍光物質は時計の文字盤に塗り
夜光るという特性があります。
これはトリチウムの崩壊によって光るので、
蓄光しなくても光り続けます。ラジウムの蛍光塗料で
多くの作業員の死者が出ていることからラジウムに代わる
塗料として置き換えられました。
ラジウムの作業者は作業の際に筆を口で整えるために
少しずつラジウムが口から摂取していたようですが、
今回の記事も慢性的に摂取していたと書いており、
同じようにしていた可能性があります。
また、なぜか作業員の尿中トリチウム量が数年分
モニタリングされており受けた内部被ばく線量も
予測されています。
これは4年間で3から5シーベルトが予測される人と
3年間で2から20シーベルトが予測される人の
情報が出ています。
尿中トリチウムのデータ取るより筆をペロさせないようにしろよ。と思います。
参考((安全衛生コンサルタント2021/10月P37))
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***有機結合トリチウムOBT(Organically Bound Tritium) [#wfbe3a21]
トリチウム水が世の中にはなたれますが
これは人間が飲んだ場合12日でその影響が半減すると言われています。
ただし、これはトリチウムが水の水素としてくっついていた場合であって
人体の細胞やDNAに使われる水素がトリチウムに置き換わった場合
ではありません。
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水と結合したものではなく細胞やDNAを構成する部分の水素が
トリチウムになったものは有機結合トリチウムと言います。
これの半減期は飛躍的に伸び40日から1年で影響が伸びると言われています。
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つまり有機結合トリチウムプランクトンを食べた
有機結合トリチウムの魚、有機結合トリチウムの魚で成長した魚
などで生体濃縮が起きるようです。
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イギリスのカーディフというところでトリチウム垂れ流しの場所では
すでに濃縮が確認されています。

 英国の Cardiff 沿岸で採取された
 ヒラメ(Flounder)から 16,000 Bq/kg、
 ヨーロッパタマキビガイ(Winkles)から3,900Bq/kg、
 ムール貝(Mussels)から 20,000 Bq/kg、
 ゴカイ(Lugworm )から 22,000 Bq/kg
 の高濃度の有機結合型トリチウム(OBT)が検出された。
(引用元:http://shinikyo.com/img/file114.pdf 尚絅学院大学名誉教授 新医協(新日本医師協会)顧問 岩倉政城)

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***結論 [#bd8efc32]
たぶん危ない、しかし生体濃縮によって
影響が出る予測なので数年後に結果が出始める。
トリチウム蛍光業者の死亡例から筆をなめる程度の摂取でも
数年継続すれば死ぬ。
先輩垂れ流し場所カーディフでの濃縮はなぜか海底の生物で
まずは確認されている。その放射線量は放水の1500Bq/Lよりも
10倍以上多い。
また東電は初年度は半分の11兆ベクレルにして
影響を注視している状態が薄れたところで22兆ベクレル
に変更する予定なので報道や一般の興味が薄れるころから
注目すべきであるとも言えます。
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また最初の最初はニュースにある通り濃度はすごく薄めた状態で流し
それから1日程度で政治家がその辺のお魚と言われるものを食しましたが
これは全く参考にするべきではありません。
日本は諸外国よりも多く魚を食べる習慣があり、
これも輸出したりしています。他国よりもより
注意したほうがいいと言えるでしょう。
潮の流れにより、原発から南に流れ東京付近で
アメリカ方面に流れると予測されます。
韓国や中国には直接的な影響は少ないと言ってよいと思います。
原産地を表記しない魚について禁輸措置をとるのは
諸外国の動きとしてはそうなるものだとは考えられます。
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また当然のことながら事故のあった原発付近ではトリチウム関係なしに放射能を濃縮した魚が釣られていますので
そちらもご注意ください。

**コメント・掲示板 [#ma3fbb91]
#br
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